ニコチン・ウォーズクリストファー・バックリー Christopher Buckley 青木 純子
Christopher Buckleyの『Thank You for Smoking』の日本語訳です。
喫煙を長年続け、何かの事情で禁煙すると、とたんに掌を返してたばこを攻撃する身勝手な人がいます。
私もその一人です(^^;
だって、せっかくたばこを止めたのに、煙を吸い込みたくないでしょ?
健康に悪いんだから。
それ以外にも、ホントは別にもっと複雑な想いがあるんだけど、それは別の機会に。
私自身、喫煙していたころと現在の立場の違いという変節を経ていることもあり、この小説を喫煙擁護派と嫌煙派の両方の立場で楽しみました。
この本では、主人公がたばこを擁護する団体のスポークスマンということで、たばこを正当化する屁理屈を120%楽しめます。
データ捏造、理屈のすり替えなんてのはお手の物。
賄賂に暗殺なんでもアリです。
まさにニコチン・ウォーズ。
しかし、喫煙者がたばこを吸う権利を勝ち取れば、返って健康被害で自分の首を絞めるようなものです。
この戦いの勝者って?
あらすじ
たばこ業界のスポークスマンとして、日夜たばこ論争の矢面に立たされているニコラス(ニック)・ネイラー。
弁論の才を活かして、嫌煙派をやり込める手腕は、所属する<たばこ研究アカデミー>の上司や同僚たちにも一目置かている。
しかし、やり過ぎがたたり嫌煙過激派に誘拐され、全身にニコチンパッチを貼られて殺されかけてしまう。
喫煙者だったことでニコチンへの耐性があり、さいわい一命はとり止めたが、以来たばこが吸えない身体になってしまった。
それからというもの、何をやっても調子が狂いっぱなし。
奇跡の生還を果たしたことで、一時は喫煙擁護派のヒーローとなるが、それもつかの間。
事件を捜査しているFBIは、殺人未遂事件を嫌煙派の評判を落とすために仕組んだニックの狂言として捜査を進め、職場の仲間の裏切りもあって、とうとう抜き差しならない羽目に陥ってしまう。
ニックに目をかけていた頼みの綱のキャプテン(<たばこ研究アカデミー>の設立者で業界の大物)は入院先で亡くなり、彼はキャリアの全てを失ってしまうことに・・・。
一級のエンターテインメントといっていいでしょう。
映画にもなっていますが、ニックはかっこいいアクションとは無縁の喫煙者。
詐欺まがいの口先三寸で世間を煙に巻く、どちらかというと小説向きのキャラクターです。
殺し屋にやられそうになっちゃうけど、最後の逆襲は暴力でという短絡思考ではありません。
このへんは、読んでのお楽しみです(^^)
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